2017年5月11日木曜日

三つの海景、東京へ!



5/25(木)は3月に行った『三つの海景』ツアーの東京編が代々木八幡cafe Barneyにてあります!! 古川麦、中村好伸、岩本象一の三人が再び集結します。

というわけで、もう二ヶ月も経ってしまいましたが、告知ついでに3/5~3/10までの『三つの海景』ツアーについて振り返らせてください…(何度も書いてはエラーなどで消えを繰り返し…) 



 今回のツアーは、何度か共演させてもらった岡山在住のパーカッション岩本象一さんの「今度ツアーしましょうよ」 の一言をきっかけに、鳥取在住のギター中村好伸さんも交えて、男三人中四国を巡るという大変渋い旅でした。選んだ土地も、渋い。以下に紹介していきます。


3/5鳥取・倉吉 saon

初日は鳥取在住、中村好伸さんと奥さんのお店saon
倉吉白壁土蔵群の目とはなの先、というよりもその一部か?、素敵すぎる場所で初めてのセッションでした。
水が流れる町、倉吉はそこはかとなく品のある町でした。また行きたい。













3/6岡山・北木島 光劇場
二日目はフェリーに乗って北木島へ。
岩本象一さんが滞在制作していた、石が有名な岡山の島です。
鬼ヶ島のような、切り立った石壁が印象的。採掘現場だということ。


会場は「光劇場」というむかーしの映画館そのまま、ニューシネマパラダイスに出てきたようなレトロな空間。最初にリンクを貼ったYouTubeはここでの演奏風景です。最前席の岩本ファンのおばあちゃんたち愛らしかった。
この後、島のミュージシャン(電気屋さん)たちともたき火を囲み、竹筒で乾杯。













3/7広島・尾道 香味喫茶ハライソ珈琲
三日目。昨年何度も行った尾道(数えたら4回)、今年も早速。
主催のかめちゃんの誕生日祝いも出来たし、尾道や岡山の重鎮たちに会えました。
そして今回、三つの海景というタイトルぴったりの素敵なイラストを書いてくれた岡嶋晶子さんと。どうもありがとうございます!







3/8愛媛・松山 Rico sweets

そして今回一番外せなかった、愛媛は松山。初めてのライブ。
祖父の実家が松山だということを最近知って、一度行っておかないとな〜と思っていたのでした。
ツアーももう四日目、この頃にはトリオの演奏にも慣れてきて、中村さん曰く「あと一回しかないのさみしいね〜」。嬉しい言葉。
会場のリコスイーツさんに置いてあった、オザケンの新聞記事切り抜きを目ざとく見つけたので、「大人になれば」カバーをやったり。店主のご夫妻両方とも音楽好きでとても理解あって嬉しかったです。
対バンのMasami Takashimaさんと主催のドラム川崎峰央くんのデュオ、めっちゃアーバンでかっこよかった。峰央くん、Masamiさん多謝!





3/9 小豆島
 この日はオフ日、欲張って松山観光の後、小豆島へ。
デザイナー・装幀家の平野甲賀さんと公子さん夫妻に久々に会いに行きました。
甲賀さん訳詞で故・斎藤晴彦さん歌うシューベルト「冬の旅」、3月末から台湾・台中で開催している個展オープニングでの演奏も任されて、「寂しい曲をやってくれ」と甲賀さん。









3/10岡山・奉還町 ラウンジ・カド
 そして最終日は、こちらも昨年何度もお世話になった奉還町ラウンジ・カド。
岩本さん自宅から、信号一つ越えるだけというご近所。やっぱり地元だけあって、終始親密な雰囲気でした。
小豆島で思いついたフレーズでの即興演奏など、このツアーを経て三人ならではの演奏が出来てきた感。
主催のモスラミュージック片山くん、カドのなりちゃん、その他愉快な仲間たちと最後にパシャリ!


というわけで、なんだか平凡な旅日記みたいでしたが、こんなに演奏旅行で「旅感」を味わえたのは他にないっていうくらい濃厚な旅路でした。一緒に巡った中村さん、岩本さんの、都会じゃない土地に住むことのゆるやかさ、保てるマイペースさにとても共感を覚えたり。人と人が、ちゃんと繋がっていく手触りが感じられるいい旅でした。

ツアー初日に初合わせ、というアクロバティックな行程を経て、日を追うごとに独特な信頼感が生まれてきたこの三人、晴れて東京でもライブできるのもとても嬉しい。ツアー総集編となるか?
とにかくは5/25@カフェ・バルネ是非お見逃しなく。

↓↓↓↓↓↓

東京 代々木八幡 Cafe Barney「三つの海景」東京編
日程:2017年5月25日(木)
会場:Cafe Barney
住所:東京都渋谷区富ヶ谷1-2-12 田崎ビル 1F
料金:予約2,000円(+1d)
Live:古川麦+中村好伸+岩本象一
時間:open19:00 /start20:00
問い合わせ:bakufurukawa.far.close@gmail.com 
http://le-barney.com


2017年2月21日火曜日

きたぜ、mーションブルー!

初っ端なに盛大に噛んだ先週のモーションブルー横浜での古川麦トリオ×小田朋美×弦楽四重奏スペシャルセッション、改めて、沢山お越しいただき本当にありがとうございました!!


初めてのモーションブルー、どんな姿勢で臨めばいいのか自分もよくわかっていなくて、とにかくは今の自分がやりたいことをぶつけようという思いで一番信頼置くチーム、そして一緒にモーションブルー出るならこの人!と、久々に小田朋美をお誘いしました。
小田朋美
左から、牛山玲名(Vn)、田島華乃(Vn)、千葉広樹(Cb)、秀岡悠汰(Va)、関口将史(Vc)、田中佑司(Dr)

正直集客面だけでなくて、内容についても不安がありました。
2年前に渋谷WWWで盛大に古川麦オーケストラをやった手前、それを越える内容を果たして今の自分は作り出せるのだろうか、と。リハーサルも全員揃うリハーサルが出来なかったり、新曲の譜面がなかなか書けなかったり・・・

緊張感漂う男子楽屋

ただそんな中で小田朋美と弦楽四重奏の音楽を聴いて、長い付き合いだけど今更ながら、とても刺激を受けました。「星めぐりの歌」の麦小田混合アレンジも、これだけのためにやる価値があると確信させるものでした。自分の新曲たちも、麦トリオのメンバーのアイディアや演奏によって、とても具体性を帯びて、これは何が何でもとにかくたくさんの人に聴いてもらいたい、という思いに変わり、あとはもう、清水の舞台から飛び降りる覚悟で本番に臨みました。


そして蓋を開けてみれば、とてつもない熱気を帯びたステージ・・・!


みんなから、まさにパワーをいただいた思いでした!
音楽家冥利に尽きる、演奏者も観客も同じ熱量で向かい合う感じ。とても大事な感覚。そして、とても大きな自信も与えてもらいました。

この日は新曲を三曲、アルバム未収録の曲が半分以上と、本当に今自分が作りたいものの輪郭が見えるような攻めたセットリストでしたが、まだまだ作り続けてます。ライブ終わった今、一早くアルバムへと昇華したい!!がんばります。


最後に、今回も絶大な協力とパフォーマンスを見せてくれたミュージシャンのみなさま
麦トリオから田中佑司、千葉広樹。弦楽四重奏は牛山玲名、田島華乃、秀岡悠汰、関口将史。そして共演の小田朋美!
写真・映像を残してくれた廣田達也&鈴木竜一朗
丁寧に音楽をサポートして下さったモーションブルー横浜のスタッフのみなさま
そして駆けつけてくれたみなさま
本当にどうもありがとうございました!!
また年内に、結実した何かを見せれるように・・・再見!
(写真:鈴木竜一朗)
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の前に一つだけ告知。
3/24(金)に、モーションブルーに出演した小田朋美・古川麦・関口将史の三人によるライブが横浜象の鼻テラスにてあります!皆様どうぞ華やいでお越し下さいませ。 





LIVE MUSIC

ZOU-NO-HANA-Special Concert 海辺の音楽会

開催日時:2017年3月23日(木) - 24日(金)19:30開場 20:00開演
第一夜/3月23日(木)公演 出演者:新垣隆(piano) 吉田隆一(baritone sax)
第二夜/3月24日(金)公演 出演者:小田朋美(vocal,piano) 古川麦(vocal,guitar) 関口将史(cello)
会場:象の鼻テラス
入場料:3,000円(前売り) 3,500円(当日)
予約開始:2017年2月16日(木)
チケット予約:info@apollo2013.com
お申し込みの方のお名前と申し込み人数、それと希望の公演日をを明記のうえinfo@apollo2013.comまでご連絡ください。後ほど、こちらから確認のメールをお送り致します。
お問い合わせ:info@apollo2013.com
045-661-0602(ご不明な点はこちらまでご連絡ください。)
桜も咲き始める初春に象の鼻テラスが贈るスペシャルコンサート、海辺の音楽会を二夜に渡って開催します。
第一夜の出演者は現代音楽の作曲家、ピアニストとして注目を集める新垣隆と、ジャズシーンで活躍するバリトンサックスプレイヤーの吉田隆一とのデュオ。
第二夜は、小田朋美と古川麦、そしてチェリスト関口将史が加わった新進気鋭の三人の音楽家によるトリオ。
春の夜に横浜の海辺で聴くスペシャルなコンサートです。
皆様どうぞ華やいでお越しくださいませ。



2016年7月25日月曜日

七七七!

7/23は渋谷7th FLOORで7インチ先行発売記念ワンマン「七七七」ありがとうございました!!



写真:鈴木竜一朗

出演:
古川麦(Gt. Vo.)
田中佑司(Dr.)
千葉広樹(Cb.)
谷口雄(Key.)
関口将史(Vc)
田島華乃(Vn)
ゲストDJ: KAZUHIRO ABO
音響: 原真人

今回、7インチレコーディング参加メンバーを中心に、弦楽の二人を加えた盤石な布陣で挑みました!

写真: 廣田達也

最初三曲はソロで、ここ最近のツアーでも使い始めたループを使ったパフォーマンス。




写真: 廣田達也

その後は田島華乃とのデュオ、古川麦トリオ、with谷口雄でのカルテット、全員参加のセクステット…一通りの組み合わせで新旧の曲たちを演奏、とても贅沢な時間!
ここ一年くらいで作った曲たちも一堂に会し、次のアルバムの姿も垣間見れたような…!
本当によきメンバーたちに支えられてます。


B面"Nightfall"でシンセ音など入れてくれたKAZUHIRO ABO、大学からの付き合いなので、最後に懐かしいリクエストいただきました!ナイスDJ!

(歌詞忘れた…)



今回もメンバー含め色んな方々に助けてもらって何とか出来ました、本当にありがとうございます。色々反省しながらも、たくさんのお客さんの暖かい拍手に救われました。写真・鈴木竜一朗、廣田達也、デザイン鈴木壮一もありがとう!

ライブ中にも散々話したけど、7インチ、最高の音に仕上がってるので、是非たくさん聴いてもらいたい!!
(正式な発売日はまたカクバリズムから発表予定です)

そして、これから8月はトリオやフジサンロク、カクバリ祭り、9月は名阪ツアーと台湾ツアー、古川麦ライブが続きます。今年中にはまたオーケストラのライブも画策してます。是非どこかの機会にまたライブも見に来てください!

【8月ライブ予定】



2016年6月14日火曜日

アンテロープのジャンベ

6/12ムリウイライブから、写真左の岩原大輔さん(右は中村翔くん)が叩いてるジャンベについて。

ある日叔父から連絡を受け、舞踏家だった叔母の遺品の楽器たちを譲り受けました。聞くとどうやらアフリカの楽団が来日の際に叔母にくれたもの?だとか、あまり叔父も詳細は覚えていない様子。
その中に二つジャンベがあり、一つはもう皮も破れて修理が必要で、もう一つはまだ健常。音は何とも言えずふくよかな、ジャンベにしてはかなり上品に思える音でした。

叔父からは「誰かちゃんと管理できる人の手に渡してほしい、ただしこの夫婦ジャンベは何があっても一緒にしておいてほしい」と、多分叔父自身をジャンベに重ねてか、大分しんみりとした口調で言われました。

ただ、正直こんな身元不明の破れたジャンベを引き取ってくれて、しかも大事に扱ってくれる人がいるのだろうか…と思いあぐねているうちに、案の定うちの民族系の調度品の一つに成り下がってしばらく時が経ちました。

その後、岩原さんと出会い、何度か演奏を共にして、何と無く直感的にこの人は大事に使ってくれそうだなぁと判断してお譲りしました。もちろんセットで。半ば押し付ける形で。

そこから半年強くらい。
リハで「これ麦くんからもらったやつだよ、初めて本番で使うんだ」と楽しそうに言う岩原さんをみて、なんだかこちらも無性に嬉しくなりました。
しかも不明だった身元まで大分調べてもらって、ガーナ生まれで、アンテロープの皮なんだーとか。

ガーナの楽師から叔母の手に渡り、今は岩原さんの手に。その楽器の音色が自分の音と交わり、時も場所も人も幾重にも交錯したあとに、一瞬の調和として出てくる音楽。とてもとても愛おしく感じました。

2016年2月18日木曜日

朝の文章(2014年11月)

すっごい久々の更新になってしまいました・・・。
これからちょくちょく文章も書いていけたらなーと思っているので、もう少しこのブログは活性化できるか、と希望は持っています。

ただ直近でネタがないので、今回は以前書いた文章をちょっとご紹介。(ライブレポとか本当苦手ですいません)

2014年11月に出演した朝の音楽会(『朝の、おんがく。vol.2 冬が聞こえる朝、ワルツの日。』)で特典だった新聞に寄稿した文章です。この文章を元にとある曲の歌詞は作られたりしています。





はじめての朝、あたらしい耳であたらしい世界を聴く。
二度と同じ朝はなく、二度とこの世界もない。
夢から覚めた寝ぼけ眼と耳と身体で、「昨日まで」の余韻に誤魔化されないように、慎重に、丹念に、朝を迎える。
 

大概、朝は「昨日まで」への執着を捨て去る前にやってくる。「昨日まで」は仕方なく、朝の下に潜り込み、あたかも一つの地表であろうとする。その振舞いは毎日繰り返され、マーブル模様の地層が出来上がっているのも知らず、私はまるで昔からよく知った顔として朝を迎える。
 

あたらしい朝を、そのあたらしさのまま迎えるためには、この地層を切り離さなければ、と思う。旅は人間が知るその最良の方法なのだろう。ただ時折、全くこちらの意思とは関係なく、地層は私を切り離す。不意に放り出されて迎える、何もない地平に浮かぶ一つの朝。

2015年7月9日木曜日

名阪ツアー・・・そして8月のトリオライブ!

もう一ヶ月以上も前になってしまったけれど、5月末の古川麦トリオでの名阪ツアーで鈴木竜一朗くんに撮ってもらった象徴的な一枚。最終日の名古屋ブラジルコーヒーでの本番後、さあ東京に帰ろうっていう瞬間です。

今回のツアーで一番印象に残ったのは、このトリオのバンドとしての側面、一蓮托生感っていうのか、持ちつ持たれつな関係でした。ゆうじくんと千葉くんと、 昨年の台湾ツアーの強行軍を乗り切った仲だったから大体の感じはわかっているつもりだったけど、より濃密に二人の呼吸がわかる旅だったなぁと。二人の信頼 を背に感じながら、単なるソロプロジェクトというよりもバンドとしての一体感を目指した旅だったと思います。

 そんなトリオの次のライブが8/7(金)六本木・新世界にてあります!
4月に行った小田朋美&田中教順のエビデュオとの共演企画の第二弾です。古川麦トリオでの演奏はもちろん、前回同様様々な編成でのセッションもあり、非常に楽しみな一夜です。是非ご予約の上お越しください!



以下詳細:

『古川麦トリオ × エビデュオ ライブ』
http://shinsekai9.jp/2015/08/07/triodio/
日時:8月7日(金) OPEN 19:30/START 20:00
料金:予約3000円/当日3500円/学割2500円(いずれも+1drink order)
出演:古川麦トリオ/古川麦(vo,gt) × 千葉広樹(Cb) × 田中祐司(dr)
   エビデュオ/小田朋美(vo,pf) × 田中教順(dr)

 古川麦×エビデュオ企画第2弾!昨年末の台湾ツアー&今年 5 月の名阪ツアーを経て進化を続ける古川麦トリオと、名古屋ライブ&吉祥寺路上ライブを経てより一層自由奔放にカバーで遊び続けるエビデュオ の二組が、再び音楽実験室・新世界に登場します。2015年4月に開催され大好評を博した第1弾『DOUBLE DUO LIVE』に引き続き本ライブではそれぞれ二組のライブに加え、一夜限りのスペシャルセッションもあります!

プロフィール:
【古川麦トリオ】
シンガーソングライター古川麦 (vo, gt) が率いる、田中佑司 (dr)、千葉広樹 (Cb) によるアコースティック・トリオ。ギター・ドラム・ベースのシンプルな編成ながら古川麦の多彩色な楽曲を余すところなく演奏し、「まるでオー ケストラ」と各地で絶賛される。東京はもとより、台湾、関西、名古屋など国内外で演奏活動を続ける。2015年10月には二度目の台湾ツアーを予定。

【エビデュオ】
シンガー/ピアニストとしても活動する作編曲家の小 田朋美と、見た目/動きがエビに似ているドラマー田中教順が、歌+ピアノ+ドラムで遊び倒すユニット、通称エビデュオ。昨年12月に リリースされた小田朋美のCD『シャーマン狩り』をきっかけに結成。dCprG のメンバーでもある二人が Perfume から P-MODEL まで様々な曲をカヴァー!

2015年3月30日月曜日

3/17WWW

完全に放置してしまいましたが、こちらにも一応ご報告を。

3/17の渋谷WWWでのレコ発ライブ「Coming of the Light」からもう早2週間近く過ぎたところで、大変遅ればせながら、鈴木竜一朗くんの写真とともに振り返ってみたいと思います!

ここに辿り着くまでに、本当に色んなことがあって、初めは細々と経緯を書こうかなとも思ったのですが、大して読む人にはおもしろくないので割愛。ただ最低限背景を説明すると、このレコ発の前に2014年7月に第一回のレコ発を新大久保でやりました。その時は泣く泣く弦楽四重奏を入れない編成で。そして全国流通、影のプロデューサーであるデザイナーの川村くんの渡米などが関係して、今回のフル編成での渋谷WWWライブを開催するに至りました。自分としては、まさに待望の会です。
(その辺の経緯は松永良平さんのインタビューを是非ご覧下さい)↓
http://d.hatena.ne.jp/mrbq/20150321


今回一番大きかったことは、出演陣に恵まれたこと。対バンの髙城くんも、先日発表されたceroの3rdアルバムの大事なレコーディングの最中に時間作ってくれたし、共演のみなさんからのすごいバックアップは言わずもがな。リハーサルで自分だけ客席で聴いていた時に、あまりの豪華さに「これ俺いなくていいんじゃね・・・?」と思って、その矛盾に一人で満足してました。
何回か重ねたリハーサルの段階で、きっと自分は蛇口の役割になればいいのだろう、という思いを持っていましたが、実際色んなホースが自分に繋がっていくのをそのとき感じました。

そして本番では、お客さん一人一人のホースが更に追加されて、もう蛇口というよりは、滝のような、何かが溢れ出ていました。嬉しい瞬間、ここ三ヶ月、いや発売してからの約半年間が報われる瞬間でした。


ただ正直言うと、早く終わって欲しい気持ちもありました。集客の不安とか、豪華な面子故のプレッシャーとか、まぁそういう瑣末な不安が積もった決壊寸前のところでの、お客さんからのこの祝福は、本当にありがたかった。
そして、顰蹙買うのを恐れず敢えて言うと「当然だろ?」という気持ちもありました。お客さんに対して失礼な気持ちなのですが、むしろそういう自負がない限り、この祝福とは向き合えなかったとも思います。

前日にチェロの関口くんが告知の文章をアップしてくれていて、「古川麦と出会ってからの七年間の集大成になるだろう」みたいなことを書いてくれていて、これはきっと本番で泣くかな、と思っていたのですが、今書いた気持ちのせいで妙に冷静な自分がいて、泣くには至りませんでした。だって、これはミラクルじゃなくて、自分たちがやってきたことが導き出したことなんだからしっかり見届けないと、という気持ちが強かった。

そう、あの日のことは突然起きたミラクルではなく、今までの活動の一つの区切り(関口くんが言うように)であり、その先に向かう何かです。
もちろん、色々な人たちに支えられて出来たこの会はミラクル以外の何者でもないのですが、それは誰かが「ミラクルだ!」と感動してくれればいい。自分はこの先も、淡々と音楽を作っていきたいしそうしていく、今回のライブがもたらしてくれたのはその道筋への光でした。

とにかくは、ご来場いただいたみなさまに心からの感謝を!!!
今年はまだまだ色々と起こりそうな予感がしています。どうぞ今後ともよろしくお願いします!

そして見てないだろうけど、川村くんは気をつけてNYいってらっしゃい!
写真: 鈴木竜一朗